近年はブラック企業とか過労死といったニュースが流れて、日本人は働き過ぎだからもっと休むべきだという意見をよく耳にする。
そんな中、ツッコミどころ満載な記事を発見したので、ツッコんでみる。
今回取り上げる記事
俺はツイッターに流れてきたところを気になってリンクをクリックした。
講談社のホームページで「現代ビジネス」というサイト。
とてもオシャレ、というか知的なデザイン。
その中に、ひときわ目立つ挑発的なタイトルが目に入る。
「日本人はすでに先進国イチの怠け者で、おまけに労働生産性も最低な件 そんなに休んで、どこへ行く?」
という記事だ。
この時点でピクっと反応してしまう。
いくつかの文を引用させてもらう事とする。
取り上げ方がさ・・・
どうやら週刊現代の記者はどうしても日本人を怠け者に仕立て上げ、どんどん働かせようとしているみたいだ。
厚生労働省が調べた日本の週労働時間(製造業)は37.7時間。調査対象に各国でバラツキがあるため、一概には言えないが、米国の42時間や英国の41.4時間、ドイツの40時間より少なく、フランスの37.8時間、カナダの37.1時間と変わらない水準なのである
まずこれなんだけどさ、実際に資料見てみたよ。
そしたらさ、確かに厚生労働省が調べた日本の週労働時間(製造業)は37.7時間だよ。
でもよ、総務省が調べた「労働力調査」では41.4時間だったぜ?
この約4時間の違いは一体何なんだ?
それほど信用できない数字、という事ではないのだろうか。
ちなみにオーストラリアはこの資料で一番少ない36.5時間だった。最高だね。
年間休日数は少ないぞ
参考程度に見てほしいのだが、年間休日数は日本137.4日。イギリスも137.1日と少なく、ドイツフランスが145日、イタリアが140日。
日本人が休みすぎの様には見えないけどな。
週刊現代の記者はこれをどう説明してくれるんだろうか。
ちなみに日本人は有給休暇取得率が悪すぎて、他国と比べて年間休日数が少なくなっている。
何が言いたいかっていうと日本人って、残業は少ないけど(過労働時間は少ないが)、働く日数は多いって事だよね?
なんか違和感があるな。
やっぱさっきの過労働時間は総務省が出した41.4時間の方が正しいんじゃね?
1人当たりの平均年間総実労働時間
これも参考程度に見てほしいんだけど、一年でトータル何時間働いてるかって数値。
韓国2,121時間、アメリカ1,789時間、ニュージーランド1,762時間、イタリア1,734時間、日本1,729時間。
主要国で多い順に並べてみたけど、韓国やばっ。
ちなみに少ない区には、ドイツ1,371時間、オランダ1,425時間、ノルウェー1,427時間、デンマーク1,436時間。
バカンスとかあって楽しそうなフランスもやはり1,473時間と少ない。
このデータを見ても日本働いていない方と言えるのかな?
ただの老害
いやいや・・・ちょいまて・・・って部分が盛りだくさん。
残業しまくってたって話のところで以下の様にある。
元松下電器社員で東海大学経営学部元教授の小野豊和氏が、当時の日本人の勤勉さを語る。
(中略)
本社になると月の労働時間が400時間を超える人間も当たり前にいて、残業代だけで15万円ももらえたという話を聞いてうらやましく思ったものです。初任給は4万2000円でしたから。
今でいうと大卒で20万くらい(厚生労働省H24年)だから・・・残業代だけで71万4,285円!!
もらいすぎ!も・ら・い・す・ぎ!☆
働き過ぎ!!
さらに
さすがに労働組合からクレームが出て、サービス残業となったりもしましたが、嫌ではなかったですね。皇太子殿下がいらっしゃる時があり、会社側から残業時間は気にせずに頑張れと励まされたこともありました。
え?
残業時間は気にせず頑張れ?
何言ってるんですか?
あの頃は多くの人が仕事に対してやりがいを感じ、それがまた社会のためになるという思いがあり、生きがいとなっていた。そんな日本社会の雰囲気が高度経済成長の原動力になっていたのは間違いありません。
それはそうかもしれんが、もうその時代は終わったんだよ。
高度経済成長みたいなのって今中国とかシンガポールとか、発展途上国がなるやつでしょ。そういう国は必死に働いて成長すればいい。日本はもう違うんだよ。頭使って働く国になったんだよ。
人生の限られた一時期に周囲を顧みずに仕事に没頭する時代があってもいいではないか。
別にいいけど、周りに押し付けないでくれ。勝手にやってくれ。
しかし、働くのは嫌だけど、豊かな生活がほしいというのは、虫がよすぎます。
仕事の時間を減らすべきだと考える人は、今の日本の豊かさが今後も続くと考えているのかもしれません。しかし、現実はそれほど甘くない。
すみません。
城南信用金庫元理事長の吉原毅氏がこう話す。
「私も若い時は残業や休日出勤も相当しました。肉体的には大変でしたが、その分、仕事を成し遂げた時の達成感や、成長したと感じられる満足感も大きかった。なので、長時間労働も苦ではなかったですね。
私にとって仕事は楽しいものですから、それを国に制限されるのはどうかと思います。
自分の若い頃はこんなに働いたぞ、って自慢する老害を発見。
別に長時間労働しなくても仕事を成し遂げたときの達成感は味わえるぞ。
確かに、国に労働時間を制限されるのは”働きたい人”にとっては良くないよね。
働きたい人は好きなだけ働けるシステムにしようぜ。
伊藤忠商事元会長で中国大使も務めた丹羽宇一郎氏は現状の日本人の働き方に対して、こう言い切る。
「もっと昔のように汗を出せ、知恵を出せ、もっと働けと言うしかない。それに尽きます」
子供に良い教育をさせろ、知恵を出せ、楽して効率よく働け!
最後に
まあ俺は労働の専門家でもなんでもないからロクな分析なんてできないし、文章を書くプロフェッショナルでもないから文章はぐちゃぐちゃだから、その道のひとに簡単にケチョンケチョンにされてしまう。
だが、資料から一部抜き取られたデータをみるだけで物事を判断しちゃいけないなって思った。
上っ面の記事には注意が必要だ。
働きたい人は勝手に働けばいいし、働きたくない人は大して働かなくてもいい社会にすべきだと思う。
そして俺は働きたくない。
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