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【自転車に乗っていたら車にひかれた話】じーさん、壊れた自転車を手で直して隠ぺいか

学生時代

あれは大学3年生の夏頃だ。

俺の大学は平地にあったため自転車は必需品で、大学生は皆自転車を駆使して移動していた。

リッチピーポーな学生は自動車を親に買ってもらって乗りこなしていたりしていたが、俺みたいな平凡なピーポーは自転車が常用車。

近くのスーパーへ買い物

近くのスーパーといっても自転車を漕いで10分ほどかかる場所にある。2kmくらいか。

大学生で一人暮らしをしていた俺は意外と料理が好きで、自炊に励んでいた。

料理の質は・・・その辺は察してほしいが、そば飯とペペロンンチーノが得意料理でそれだけは自信があった。

オムライスも良く作っていて、ケチャップ入れた炒めご飯に半熟の卵焼きを乗せただけだ。

当時半熟卵にドはまりしていて、一回の料理に3,4個は卵を使っていた。

その日も卵を大量に使ったオムライスを作ろうと、買い物に自転車を走らせていたわけだ。

事件は起こった

まとめ買いの癖がなかなか抜けない。いつも多めに買ってしまう。

よく大学の友達に冷蔵庫の中のマーガリン3個もいらないだろうと怒られたもんだ。今回も買い過ぎたようで、ビニール袋はパンパン。

卵はビニール袋に入れたら破れてしまいそうだったので、ショルダーバッグの中にしまいこむ。

当時流行っていたポケモンダイヤモンドのカセットがはいった任天堂DSの横に。

自転車の前かごにビニール袋をいれ、俺は颯爽と漕ぐ。

わずかに勾配がある坂を踏ん張りながら進む。

右手に本屋が見えてきた。駐車場は広いが平日の昼間であったため、車はなくスカスカであった。

むこうから車道から駐車場に左折で入ってこようと、減速している車が見えた。

俺は歩道は歩行者(自転車)優先の原則の通り、減速せず進む。

車の方を気にしながらも、進んでくるはずがないと思っているので安心している。

ところが車はそのまま発進、俺の方へ向かってきた。

ボンネットに乗っかる

時間の流れがゆっくりになる。

車は俺の自転車を吹っ飛ばし、俺はそのまま車のボンネットに転がった。

フロントガラスに張り付いた感じになった瞬間に、運転手はやっとのことでブレーキをかけた。

すると、まるでフロントガラスにプッシュされたかのように俺は吹っ飛ぶ。

地面をゴロゴロ回ったが、なんとその流れのまま俺は立ち上がった。

正直あまり痛くなかったので、痛そうに倒れるのが嫌だったので、立ち上がって「どうしました?何かありました?」的な態度を取りたかったのだろう。当時の俺は若い。無駄に若い。

警察を呼ぶ

立ち上がった俺のもとへ運転手が近寄ってきた。

じーさんだった。とても気が動転していて、ケガはないかい、あわわ、あわあああああ、って感じでやってしまったっていう顔をしていた。

俺は「大丈夫です」とクールに言い、「あ」といって自転車のカゴに入っていた買い物袋に近づいていった。

買い物袋から豚バラ肉や、野菜が飛び出ていた。3000円相当の買い物が無駄になったのが悲しかった。

するとじーさんが近寄ってきて、これいくらだ??払うから、大丈夫!だいじょうぶぅだよー!とかいっている。

俺は3千円です。というと、じーさんは財布からすぐに札を俺に手渡した。確かちゃんと3千円。1万くらいくれよな。

で、こういう時ってどうすればいいかわからなかったので、とりあえず警察を呼んでもらった。

すぐに警察が到着したが、実は警察が来る間にじーさんは俺のぐちゃぐちゃに曲がった自転車を出来るだけ手で直そうとしていたのだ。

意外と自転車は簡単に曲がって、ぐちょぐちょんになっていた自転車が結構まともになっていた。

俺は「おいおい・・・事故の衝撃を物語っている自転車が・・・」とか思ったけど時すでに遅し。

警察「自転車はぁ~、あー大したことないね~」じーさんの作戦通り、事故のレベルが一段階下がったような、そんな印象であった。

まあ実際事故自体大したことなかったからいいんだけどね。

ただ、ショルダーバッグの中が卵の湖になっていて、そこに任天堂DSが浸っているのは耐え難かった。

病院に行きなさい、というじーさんの助言を完全に無視し、俺は帰宅したのであった。

じーさんから電話がかかってきた

後日「申し訳なかった」という内容の電話がかかってきた。そういえばどこかのタイミングで電話番号を教えたのを忘れていた。

すると今度謝罪に伺いたいと言い出した。

俺はかまいません、あ、そういえば任天堂DSが卵に水没、いや卵没して使えなくなってしまったんですけど、弁償してください。

俺はそう言い放った。もともと言おうと思って考えていたことだ。もしかしたら声は震えていたかもしれない。

DSは卵に浸かっていたが、しばらくすると電源は普通について普通にプレーすることができたのだ。

だが、十字キーやA、Bボタンの隙間に入った黄色、いや少し薄くなって、クリーム色?みたいになった染み込んだ卵と一緒に俺はゲームをしていかなければいけないのか。

そんなことを考えると腹立たしくなってきて、じーさんに弁償させることを思いついたのだ。

というか、これは当然の賠償だと思うのだが、ただ、電源がついて普通にプレーできてしまっているところが何とも言えない。

それでも勇気を出して俺はいったのだ。じーさんに、言ったのだ。

その数日後、家のチャイムが鳴った。

後日じーさんと保険屋が謝罪しに来た

ドアを開けると、そこにはじーさん。

おっと、その横に見知らぬおにーさん、いやおじさんが立っているではないか。

じーさんはすぐにしゃべり出した。

「先日は本当に申し訳ございませんでし・・・」

俺は適当に受け流した。じーさんは菓子折りを差し入れてくれた。

俺は遠慮する素振りを全く見せずに頂く。

菓子折りの次に見せられたのは保険屋からの書類。

「”これ以上何も請求しません”という書類にハンコを押してください。」との事であった。

まあ確かに、こういうのがないと一生ゆすられる加害者が出てくるわけだ。

加害者が被害者になる的な。被害者は加害者となって完全に攻守交替って感じだな。

別に俺は加害者にあるつもりはないけど、なんとなく「ちぇっ」って思ったよね。

もちろん不正請求的な事をやるつもりは毛頭なかったし、卵漬けになったDSのお金だけ払ってもらえれば充分であった。

友達の中には「こういうときはお金ガンガン取らないともったいないぞ」とかいうやつもいたが、俺はそんなことできなかった。

じーさん普通にいい人だし、じーさんイジメるの可哀そうだよ。

ってことで俺は特に怒る事もなく素直に書類にサインしたってわけ。

ちぇって思ったのは、じーさん俺のこと信じてないのね~なんて思ったから、

でも世の中そんなこと言ってられないよね、いろんな人いるから、こういうやり取りちゃんとしとかないと、お金ガッツリ取られることだってあるんだろうからね。(知らんけど)

最後に

そんなこんなで俺の手元には卵色した任天堂DSと、弁償代2万円が手元に残った。

微量の虚しさもじーさんは置いていった。

俺は自転車を颯爽と漕いでいただけで、じーさんの前方不注意で俺はひかれたわけだ。

でそのあとの保険屋とのやり取りで微妙な想いをしたわけ。

俺マジでただ被害を受けた人じゃないか。

あ、そういえば自転車も新台入れ替えしたんだった。ラッキー。

そいじゃ!

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